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だけど、今夜の陸は違った。
優しくわき腹を撫でて、それから胸のふくらみに到達した陸の指は、少しの迷いも無く強弱をつけて揉み始めた。
わたしの身体を知り尽くしているように。
丁寧に、そして的確にわたしに甘い刺激を与え続ける。
それは、自分の欲を満たすためだけでは無いように感じられて、わたしは酷く混乱した。
「やっ、陸っ」
もう止めてと、懇願するように陸にしがみ付く。
このままでは、わたしは本当の意味で壊れてしまう。
それなのに、陸はフッと小さく笑うと、艶やかな声でわたしの名前を呼んだ。
「友香」
その声は、空のもの。
……空?いや、違う。
わたしを抱いているのは、陸なのだ。
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