第5話

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   「りく……」 朦朧としながら、名前を呼ぶと、陸は動きを止めてわたしを見下ろした。 濡れたような黒い瞳。 上気した頬。 男の顔でわたしに欲情している陸が、どうしようもなく怖くなる。 どうして? どうして、なの? 陸は繋がったままで、わたしを自身の膝の上に乗せると、容赦なく動き始めた。 「アッ、……んっ、いやぁぁ」 より激しい甘い刺激がわたしを襲う。 ドロドロに溶かされて、完全に力が抜けてしまったわたしの身体は、陸のなすがままになる。 密着する身体と、伝わる陸の体温に、自分の置かれている状況がわからなくなって……。 「ぁぁあ、やめッ、て」 「いいよ。先にイっても」 イヤだと首を横に振った瞬間、涙が零れて頭の中が真っ白になっていった。
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