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「りく……」
朦朧としながら、名前を呼ぶと、陸は動きを止めてわたしを見下ろした。
濡れたような黒い瞳。
上気した頬。
男の顔でわたしに欲情している陸が、どうしようもなく怖くなる。
どうして?
どうして、なの?
陸は繋がったままで、わたしを自身の膝の上に乗せると、容赦なく動き始めた。
「アッ、……んっ、いやぁぁ」
より激しい甘い刺激がわたしを襲う。
ドロドロに溶かされて、完全に力が抜けてしまったわたしの身体は、陸のなすがままになる。
密着する身体と、伝わる陸の体温に、自分の置かれている状況がわからなくなって……。
「ぁぁあ、やめッ、て」
「いいよ。先にイっても」
イヤだと首を横に振った瞬間、涙が零れて頭の中が真っ白になっていった。
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