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頭から熱いシャワーを浴びる。
怪我をしている手首は、随分と回復したように思う。
傷痕は完全に消えることは無いだろうけれど、目立たなくなればいい。
そんなことを考えながら、スポンジにボディソープを含ませて身体を洗う。
ふわりと鼻腔を突くシトラス系の香りが、わたしを少しだけリラックスさせてくれた。
と、視線が自身の胸に落ちた瞬間、わたしは言葉を無くしてしまった。
そこには、陸によって付けられた無数の赤いしるしが存在していたからだ。
「……」
俺のものだと、所有物の烙印を押されたような気分だった。
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