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そのしるしは、胸だけに留まらず、わき腹や内腿にまで及んでいた。
どうして、こんなに……。
昨夜の情事が鮮明に蘇って、わたしを動揺させる。
優しくて激しい陸の愛撫は、まるで愛されているようだった。
わたしの身体は、すんなりと陸を受け入れ、それどころか感じてしまっていたのだ。
「そんな……」
違う、違う。
わたしの身体は、陸を空と勘違いしただけだ。
空を愛している。
わたしは、空が目覚めるのを待っているのだ。
もう愛してもらえなくても、赦されなくても。
だから、もう止めて。
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