第5話

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そのしるしは、胸だけに留まらず、わき腹や内腿にまで及んでいた。 どうして、こんなに……。 昨夜の情事が鮮明に蘇って、わたしを動揺させる。 優しくて激しい陸の愛撫は、まるで愛されているようだった。 わたしの身体は、すんなりと陸を受け入れ、それどころか感じてしまっていたのだ。 「そんな……」 違う、違う。 わたしの身体は、陸を空と勘違いしただけだ。 空を愛している。 わたしは、空が目覚めるのを待っているのだ。 もう愛してもらえなくても、赦されなくても。 だから、もう止めて。
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