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第5話
暗闇に紛れるようにシーツに包まってキツク瞳を閉じる。
少しだけでいい。一人になりたい。
何も考えずに、眠りにつきたいのだ。
どれぐらいそうしていたのか、ドアが開いて陸が近付いてくる気配がした。
瞼を持ち上げるのも面倒で、寝たふりをしてやり過そうとした。
けれど……。
陸が乱暴にわたしの肩を揺さぶった。
「薬、まだ飲んでないだろ?」
「……ぁ」
精神安定剤と胃薬。
そして、睡眠薬を処方されていた。
仕方なく身体を起こすと、不意に顎を掴まれた。
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