第6話

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   視線を久保さんに戻すと、緊張から顔が強張ってしまう。 そんなわたしを見て、久保さんは小さく溜め息を吐いた。 「昼も夜も、アルバイトしているんだね」 「……調べたんですか?」 「僕じゃなくて、彩夏がね」 「……」 やっぱり、見張られているんだ……。 わかっていても、言葉にされるとゾッとして背筋が寒くなる。 「でも、心配しなくても大丈夫。今は、陸が彩夏を上手くコントロールしているようだし……」 「え?」 コントロール? ジッと見詰めると、久保さんがわたしの疑問に答えるように口を開いた。 「今日もデートだと、嬉しそうに彩夏からメールが届いたよ」 「……そう、ですか」 何故だか、胸がチクリと痛んだ。それに気付かないフリをして俯いた。 「可愛いね。そんな傷ついた顔をして」 違うと言いかけて口を噤む。 久保さんがオーダーした料理が届いたからだ。
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