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何か企んでいるの?
そう疑わずにはいられなかった。
「…………」
黙っているわたしに「陸に逢いたくない?」と、久保さんは表情も変えずに言う。
「……別に」
「陸に逢いたいから、あの部屋でいつまでも陸を待っている。そうでしょ?」
「違います」
あのマンションに留まっているのは、陸に逢いたいからじゃない。
わたしはもう、家には戻れない。
どこにも行くところがないのだ。
お金が貯まって、一人で暮らしていけるようになるまで。
その間だけ……。
「話はそれだけですか?」
久保さんの返事を待たずに席を立つ。
「失礼します」
そう言ったわたしを久保さんは静かに見詰める。
「気が変わったら、連絡して」
その言葉を背中で聞きながら、わたしはファミレスをあとにした。
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