第6話

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   パーティに同伴……。 久保さんに会ってからというもの、ずっとそのことばかり考えていた。 パーティには、陸も出席するのだろう。 そこで久保さんは、わたしに何を見せたいの? 商品の品出しをしながら、無意識に溜め息を吐いていた。 「友香ちゃん、溜め息なんて吐いてどうかした?」 「……なんでもないですよ」 愛想笑いで誤魔化す。 タイミング悪くバイトの永田君に見付かってしまったのだ。 永田君はちょっとお喋りで面倒臭い人。 数日一緒に働いただけで、うんざりしてしまった。 手早く商品を棚に納め、その場を後にする。 あまり話しかけて欲しくない。 そんなオーラを出しているのに、この時間帯に限って何故かお客さんもまばらで。 レジで永田くんの暇つぶしのターゲットになってしまった。
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