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ホッと安堵の息を吐き、その場に立ち尽くしていた。
良かった。本当に。
陸はわたしとの約束を守ってくれていた。
それだけで、救われたような気持ちになっていた。
どれぐらいそうしていただろう。
誰かに気付かれる前に、この場から立ち去らなくては……。
そう思い、来た道を引き返そうとしたときだった。
「あれ?友香ちゃん?」
「……」
聞こえないフリをして足を進める。
「友香ちゃんだよね?」
それなのに、その声は執拗にわたしを追いかけてくる。
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