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「友香ちゃん、待ってよ」
「……」
諦めて足を止める。
振り向くと、人懐っこい笑顔の丹羽さんが立っていた。
丹羽さんは、父の会社の従業員。
幼い頃から良く知っている人だ。
「わぁ。久しぶりだね。何?今日はどうしたの?」
「……こんにちは……」
言葉に困って、立ち竦んでいると、丹羽さんはニコニコしながら近寄ってくる。
「社長に用事?」
「いえ、近くを通りかかったので……」
わたしや家族に起こった様々なことを丹羽さんは知っているのだろうか。
そう思うと、目を合わせられなかった。
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