第7話

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   「で、僕に何の話?」 目配せをして、人払いをする久保さん。 わたしは、人が出て行く気配を感じながら、ゆっくりと口を開いた。 「……陸に逢いたいんです」   陸に逢って、話をしたかった。 あれから、衝動で陸の会社に向かったけれど、受付では取り次いでもらえなかった。 広いロビーで陸を待ち続けても、結局は逢うことは出来ずに……。 そして、二日目には、とうとう警備員に追い出されてしまった。 結局わたしは、迷った末に久保さんに頼ることを選んで、病院に訪ねて来たのだ。
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