第8話

2/33
407人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
     体温が急激に下がって、身体がガタガタと震えだす。 それでも、わたしは陸から離れることが出来ない。 「……ぁ」 「友香、いつからだ?」 「……空の、病室に一人で行ったとき……」 あのとき、気付いてしまったのだ。 一卵性双生児だから、ホクロの位置も同じなのだと思っていた。 けれど……。 病室で眠っている空には、あるはずの右手のホクロが無かったのだ。 立っていられないほどの衝撃を受けた。 何が起こっているのかわからずに、ただ全力で否定した。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!