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第9話
ここはどこなんだ?
何も見えない。
何も聞こえない。
漆黒の闇の中、目を瞑っているのか、開いているのか。
それすらも、わからない。
だけど、不思議だ。
その闇に包まれている感覚が、とても心地良い。
このままずっと、丸くなってこの場所に留まっていたい。
そんな気さえしてしまう。
これは、夢なのか?
だったら醒めなければいい。
きっと、何もかも終わったのだ。
最後に見たのは、彼女の顔。
散々傷つけて突き放したのに、俺に逢いに来た、友香の顔だった……。
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