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空に対する気持ちが恋だと気付いたのは、いつだっただろう。
空は俺の憧れだった。
一卵性双生児といっても、性格はまるで違う。
簡単に言うなら、空は光で俺は影。
明るくて人当たりの良い空のまわりには、いつだって人が集まってくる。
空は父のお気に入りでもあった。
それを羨ましいと思ったことは一度も無いが、人一倍愛情を欲していたのは事実だった。
母は俺達を産んだ一年後に亡くなっていて、その存在は数少ない写真でしか知らない。
ずっと孤独だった。
きっと、それは空も同じ。
……もし、二人が一つだったら、孤独も半分になったのだろうか。
どうして、母は俺達を二つにわけて、産み落としてしまったのだろう。
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