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不意打ちに悶える男を無視して、勢いよく車のスライドドアを開ける。
まさか邪魔が入るとは思っていなかったのだろう。
友香を羽交い絞めにしている男が怯んだ隙に、友香を引きずり出した。
震える友香を抱きしめたまま、足元で呻いている男の急所をもう一度蹴り上げる。
「ぐぇっ」
ひしゃげた声を上げながら、蹲る男を一瞥すると、友香の腰を抱き、その場から離れた。
「大丈夫か?」
震える友香は、顔を上げながら小さな声で礼を言う。
「ありがとうござ、い……」
友香は、助けが俺だと思っていなかったのか、顔を見るなり驚いたように言葉を呑んだ。
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