第10話

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    罠だと思いながらも、無視するわけにもいかず、友香の妹の愛莉と連絡を取った。 彼女と車の中で話をすると、その口から出てきたのは、驚くべき事実だった。 闇金にまで借金をしていたのか。 そこまで調査が及ばなかった自分の落ち度に舌打ちをすると、愛莉に向き直って宥めるように言葉を掛ける。 「もうこんなことは止めるんだ」 そう言うと、愛莉は力なく首を横に振った。 「家に帰りたくないの」 「だからと言って……」 知らない男に身体を開くことの意味を理解していないのか? 不安定な10代の思考に辟易しながらも、放っておくことも出来ずに、愛莉の気が済むまで話を聞いていた。
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