第10話

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    夜十時を過ぎた頃、もう遅いからと愛莉を家まで送っていった。 新しい家は、町外れの今にも壊れそうな小さなアパートだった。 「汚くてびっくりした?」 「いや……」 言葉を詰らせる俺に、愛莉は苦笑いを浮かべて車を降りた。 「……じゃ、陸さん、またね」 「気をつけて」 「うん」 車の中から、愛莉に向かって軽く手を振る。 出来るなら、友香には知らせたくない。 このときのことを写真に撮られているとは思いもせずに、俺はどうしたものかと頭を抱え込んでいた。
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