第11話

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   少しの沈黙のあと、友香が何か決心したように、顔を上げて俺を見た。 友香の濡れたような黒い瞳が、強い力を発して俺を捕らえる。 凛とした声が鼓膜に響いた。 その言葉の意味は、考えるまでも無かった。 「本当のことを教えて。 あなたが、空なんでしょう?」 ……そうか。 やっぱり気付いていたんだな。 友香を引き寄せたのは無意識だった。
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