第11話

28/31
前へ
/31ページ
次へ
   「一体、何のつもりだ」 焦るあまり高圧的な言い方をしてしまう。 「わたしは……」 友香は俺から視線を逸らし、叱られた子供のように、掌をギュッと握り締めた。 「30分が限界だ。用件を手短に言ってくれ」 ……時間がないんだよ、友香。 言いたいことなら、全部曝け出してくれ。 どんな酷い言葉でも構わない。 それで友香の気が済むのなら……。 と、ジャケットの内ポケットに入れている携帯が震え出した。 ……もう気付かれたのか? 時計に視線を落すと、彩夏の元から離れて、まだ10分も経っていなかった。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

421人が本棚に入れています
本棚に追加