1.~始まりはいつも突然に~

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この空間にずっといるわけにもいかないので歩こうとはするのだが、 「これは、進んで、いるのか...?」 歩くという動作はできるのだが地を踏みしめているという実感がない。さらに周りはずっと同じ景色が続くのだから進んでいること自体がわからない。 数分歩いたところで俺は座りこんだ。 「ダメだ! ゴールが見えねぇ!」 人間というものはその目標に向かっていく生き物である。歩くということにおいて目的地がわからないとなれば、すぐに疲れてしまうのは当然の原理である。 「ああ、もう無理だ。俺はこんなところで死ぬのか...」 生きることすら諦めたその時だった。 「あら、こんなところとはご挨拶ね」
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