第1章

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オレの大学時代…。 他県のド田舎から、長崎市内に出て来たオレは、下宿する事になった。 下宿先は、風呂トイレ台所共同の6畳一間。 家賃1万8千円のチョイ大きなおんぼろアパート。 部屋は上下階合わせて12室。 オレが入居した時は、まだ大学の先輩が沢山いた…。 入居して新入生歓迎会が開かれた時だ。 一つ上の先輩が、オレ達一年4人に妙な事を教えてくれた。 「見ての通り、このアパート古いだろ。 住み始めたらスグに分かるけど、何室か妙なもんが出るから。 気になるなら、引っ越すか、空いた部屋に移動して…。」 サラッと流すように言われたので、よくある上級生の冗談だと、その時は思った。 けど…。 住み始めてすぐ。 オレの住み始めた部屋が妙だと分かった。 オレの部屋は…。 やたらと懸賞に当たった。 17アイスクリームの懸賞。 あしたのジョーのマンガ全巻セット。 ジブリ映画試写会券。 スーパーの商品券3千円分。 ふっと思い出してこんなもん…。 後は細かいのが数点。 ド田舎の実家にいた時にも、ちょくちょくと懸賞を出してたが…。 今まで当たった事なんてなかった。 ありがたい事だと、その時は思った…。 あれは2年か3年経っての夏だったか…。 その日、暑苦しさから真夜中に目が覚めたオレ。 喉が乾いたので水でも飲もうと、体を起こそうとしたら…。 起き上がれ無い。 体がピクリとも動かない。 『あっコレが、金縛りか…。』 意外に、金縛りにあっても冷静だった。 面白いので、ドコまで動かないのか試してみると…。 体はドコも動かないが、首が少しばかり左右に動かす事が出来た。 そうして横を向いて見たら…。 女の人が座っていて…。 寝ているオレをジッと見ていた。 若くて見知らない女子で…。 白い服を着ていて…。 ぼんやり透けてる…。 『コレもまあ良く聞く話しで、よくあるパターンじゃん…。』 冷めた感じでそう思った…。 懸賞の事もあって、たぶん悪い霊じゃないとオレはそう感じてたから、全然怖くなかった。 仕方ないので、女の人を見つめ返していたら…。 恥ずかしい話し…。 ムラムラし始めた。 20才前後の若い男で…。 更に童貞で…。 夏の暑い日に…。 幽霊とはいえ部屋に若い女の子がいる状況…。 そらぁ、性欲爆発するって…。 コレでムラムラと来ないのは、男としてどうだろ?。
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