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まあ…。
人としてはアレなんだけど…。
男性部分は既にはちきれんばかりギンギンに戦闘態勢に入ってた…。
『幽霊でも、まあイイや…。』
オレはそう思いたち、幽霊に飛びかかろうとしたら…。
金縛りにあってるのをスッカり忘れてて…。
首は動くが体がピクリとも動かない。
フンフンと首だけ必死に体を起こそうとしてもやはり動けない。
疲れて息が切れてきてフと気付いたら…。
幽霊の女子…。
笑ってた…。
ニヤニヤ笑ってるのオレには分かった。
どうも彼女は、このオレの必死な状況が見たかったようだ。
『チックショー~ー~。
おあずけかよっ?。』
気付いたオレは怒りに任せて、更に必死に起き上がろうとした。
全身をバタ尽かせようともがくもがく。
だが、タオルケットすら動かせない。
しかし、諦めずに意識内で体をバタ尽かせてると、左手の中指の先だけ微かに…。
ほんの微かピクリと動いた。
オレは瞬時にその中指だけに意識を一点集中させ、そこを始点に少しずつ動かす事にした。
すると、左指が…。左手が…。左腕が…。
徐々に少しずつ少しずつ動きだした…。
オレは必死に左手一本だけで、敷き布団をガシッと握り、体を起こし始めたが…。
やはり体となると、岩が乗ってるみたいに重くて起き上がれない…。
「なっ…めん…なっ~ー~ー!!!。」
声にならない声で叫び。
頭の血管がブチ切れる位の気合いを爆発。
油汗なのか冷や汗なのか、わけ分からない汗をかき…。
ブルブルと筋肉を震わせ…。
ジワ~リジワ~リと少しずつ、数分間かけて起き上がる事に成功。
ハタから見たら、ちょっとした恐怖映像だろう。
上半身を起こし終え、「さあ、お返しだ…。」と…。
体を女子幽霊の方に向けた瞬間。
幽霊の女子は既に居なくなっていた。
それに気付いたと同時、金縛りは解けていた。
なんか…。
幽霊にすらドン引きされたようで情けなくなった…。
その後もちょくちょく金縛りにあったが…。
オレはあれ以降、起き上がる努力は止めた。
オレの隣りの部屋の同級生に、その事を話したら…。
ソイツの部屋には、ケモノっぽい霊かなんかがいると言ってきた。
無害だから別に気にしないと…。
他の同級生も、気味が悪いから別の部屋に変えるヤツもいた。
どうやら…。
アパートの各部屋事、見えない同居人が違っていたようだ…。
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