第1章

3/3
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
まあ…。 人としてはアレなんだけど…。 男性部分は既にはちきれんばかりギンギンに戦闘態勢に入ってた…。 『幽霊でも、まあイイや…。』 オレはそう思いたち、幽霊に飛びかかろうとしたら…。 金縛りにあってるのをスッカり忘れてて…。 首は動くが体がピクリとも動かない。 フンフンと首だけ必死に体を起こそうとしてもやはり動けない。 疲れて息が切れてきてフと気付いたら…。 幽霊の女子…。 笑ってた…。 ニヤニヤ笑ってるのオレには分かった。 どうも彼女は、このオレの必死な状況が見たかったようだ。 『チックショー~ー~。 おあずけかよっ?。』 気付いたオレは怒りに任せて、更に必死に起き上がろうとした。 全身をバタ尽かせようともがくもがく。 だが、タオルケットすら動かせない。 しかし、諦めずに意識内で体をバタ尽かせてると、左手の中指の先だけ微かに…。 ほんの微かピクリと動いた。 オレは瞬時にその中指だけに意識を一点集中させ、そこを始点に少しずつ動かす事にした。 すると、左指が…。左手が…。左腕が…。 徐々に少しずつ少しずつ動きだした…。 オレは必死に左手一本だけで、敷き布団をガシッと握り、体を起こし始めたが…。 やはり体となると、岩が乗ってるみたいに重くて起き上がれない…。 「なっ…めん…なっ~ー~ー!!!。」 声にならない声で叫び。 頭の血管がブチ切れる位の気合いを爆発。 油汗なのか冷や汗なのか、わけ分からない汗をかき…。 ブルブルと筋肉を震わせ…。 ジワ~リジワ~リと少しずつ、数分間かけて起き上がる事に成功。 ハタから見たら、ちょっとした恐怖映像だろう。 上半身を起こし終え、「さあ、お返しだ…。」と…。 体を女子幽霊の方に向けた瞬間。 幽霊の女子は既に居なくなっていた。 それに気付いたと同時、金縛りは解けていた。 なんか…。 幽霊にすらドン引きされたようで情けなくなった…。 その後もちょくちょく金縛りにあったが…。 オレはあれ以降、起き上がる努力は止めた。 オレの隣りの部屋の同級生に、その事を話したら…。 ソイツの部屋には、ケモノっぽい霊かなんかがいると言ってきた。 無害だから別に気にしないと…。 他の同級生も、気味が悪いから別の部屋に変えるヤツもいた。 どうやら…。 アパートの各部屋事、見えない同居人が違っていたようだ…。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!