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自分の呼吸音だけが、スピーカーから戻ってくる。
背後の、窓ガラスが風でカタカタと音を立てていたが、
視線を向けることさえできなかった。
「ＧＥ社側からオファーがあったんだ。
このままリヨンでプロジェクト実行にあたり、
今まで通り責任者として残らないかと誘われた。
バビロンとの協業は終わるけれど、
日本への進出計画に変更はない。
今後販売展開を狙う日本企業相手の戦略を立てるのは、
日本のマス（一般大衆）を知る市場に精通した人間がいたほうがいいと考えているそうだ。
そのためにも、バビロンから人材を引き抜きたい。
そう言ってくれている。
俺は、四方山部長と共に、このプロジェクトの行き着く先を見届けたい。
だから、この申し出を受け、ＧＥ社に行くことを決めたんだ」
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