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彼氏との楽しいおしゃべりをしたあと、
白いクリームが底にこびりついたシチュー皿を、シンクで洗う。
蛇口からグラスに水を入れながら、
リヨンのミネラルウォーターのボトルの大きさを思い出した。
750ミリリットルのティアドロップ型のボトルの先には、
グリーンの小さなコップが付いている。
リヨンの水道水は、飲めるし美味しいと優斗はいったが、
チャレンジしていなかった。
あの大きなボトルを常に鞄の中にいれる生活が、いつしか当たり前になる。
日本と同じように蛇口からの水を口に運ぶようになるんだ。
私はきっと変わる。リヨンでの彼との新しい生活で変わっていく。
そんな自分を創らなくては、ならないのだ。
彼のために。
新しい未来を思い描きながら、外と同じ冷たさを保った水を口に含んだ。
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