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先日の飲み代を私が支払った後から
彼とは飲みに出かけることはなく、
家と会社の往復にとどまる。
わが彼氏は、多忙の極みで、出張続き。
連絡が取れない日もしばしば目立つようになった。
それに、リヨンでのプロジェクトについても、
GE社へと行くと告げた後から、口を閉ざすようになった。
もう、彼がどこにいるのかも皆無だ。
今までも、さっぱりわからない内容ではあったが、
尋ねるたびに話をはぐらかされるのは、
なんだか、隠し事をされているようで正直気分がいいものではない。
そんな彼との会話の時間は、癒されるより、
モヤモヤが雪山のように降り積もるだけである。
もはやスイスのモンブランに匹敵するほどの黒々とした山が
私の心には出来上がっていた。
プライベートがぎくしゃくしているのも、
仕事で首が回らないのも、
化粧水が切れたまま買いに行く時間もなく、
女を捨ててる日々も、全ての原因は、会社にある気がしてならない。
第二営業部時代に社長の電話に対して
非常に失礼な発言をした私としては、
これ以上の暴言が社長の耳に届く行為は、危険だと思い。
「みんな、社長のせいだ」
と、コーヒーのカップの中にぼそり呟くにとどまっている。
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