キスフレ2nd kiss Vol 23

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★ 珍しく寒い夜だった。 ぼんやりとしていたのは、鉛色の雨で景色が霞んでいたせいだろう。 そして、彼氏の告白に胸打たれたせいだ。 だから、部屋に電気が付いていることにも、 家の扉を開けたとき、鍵が開いていることにも、気づかなかった。 部屋の中にいる男の姿が、誰なのか気づくまでのスピードは、 扉がゆっくりと締まる時間と同じだった。 目の前で私を見つめて微笑む男は、 愛おしい彼と同じように私の名前を呼ぶ男。 阿部さんだ。 「...舞」 「阿部さん...なんで...部屋に?」 驚きと困惑のせいで体が動かない。 恐怖が近づいてくる。
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