キスフレ2nd kiss Vol 23

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壁に追い詰められた私は、目の前にいる男を脅えながら見つめた。 まるで罠を仕掛けた檻の中で、いつ食べられるのか待つ兎になった気分だ。 その手が触れる瞬間が近づく。 「不用心だね。合いカギ隠す場所を、未だに変えてないなんて」 私の前でひらひらとスティールの鍵を見せつけた。 小さな銀色が彼の指先につままれて揺れている。 小栗と一緒に過ごしていた時に、行き違いになることも含め、 念のため置いておいた合鍵。 ずっと、合鍵を隠す場所を、変えなかったことを悔やんだ。 「いらないの?」 掌に乗せた鍵を私の目の前へと差し出した。 一向に手を伸ばそうとしないから痺れを切らしたように、彼は口を開く。
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