釘バット娘

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「竜郎、お前何か忘れてないか?」 朝、偶然会った孝二に昨日の出来事を話すと一拍置いてからそう聞かれた。 「ん~? 俺、何か忘れてるか?」 遅刻ギリギリなので二人で走りながら学校を目指している中、俺は何かを思い出そうとする。 そこで、はっと気づいた。 「あ――――!!」 「……思い出したみたいだな」 「って、何で俺はそんな重要なことを忘れてたんだ!?」 「俺に聞くな」 盛大な溜め息を吐いた孝二は、驚きのために足を止めた俺を置いてさっさと走っていく。 仕方なく俺も走り出し、心の中で自分を叱責した。 俺のバカ! 何、重要なこと忘れてるんだ!! あー、どうやったら釘バット娘を……釘、バット……ッ! 「フフフフ……」 「うわ、黒い笑い……。どうせ、良からぬことでも考えてるんだろ」 「まあな」 そして俺は、つい先程思いついたアイディアを今日にでも実行に移そうと画策し始めた。
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