釘バット娘

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「よお、昭島。お前一人なのか?」 「! ……ま、政岡……くん?」 突然の訪問者に立ち上がりはしなかったが、昭島は目を見開いて驚いていた。 「廊下から丁度見えたんだけど、本当に誰もいないなー」 教室の奥などを見ても人の気配は一切なかった。 「うちの部は……幽霊部員、多いから」 昭島はぎこちなく返事をして、絵を描く筆を置く。 「どんな絵描いてんだ?」 「た、大して……面白く、ないよ……」 昭島の絵を見ると、スキー板の跡が全くないキレイな雪原だった。 雪の表面のキラキラした感じから絵の端の方にある木々とそこに積もった雪の細部までまるでリアルだった。 「へ~、キレイじゃん! こういう所に一人で思いきりダイブしてみてえなー」 「気に入って……くれたの?」 「おう!」 そう言うと昭島は嬉しそうに微笑んだ。 「あ、あのさ……」 「何だ?」 「突然、なんだけど……付き合って、くれない?」 「……は?」 付き合うって……告白ですか?
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