キスフレ2nd kiss Vol.25

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★ 会社の屋上へといくと、先客がいた。 黒のスーツ姿の東雲リーダーは どことなく色っぽく感じる。 風でなびく細見の黒のネクタイを 彼は直すことなく、網の外の景色を眺めたまま一人立ち止まっている。 その背中に声をかけることに戸惑った。 それは私と同じで、今日は、 そっとして欲しかったからかもしれない。 彼から離れた場所のベンチに腰掛け、朝焼けの残る空を見上げた。 ここで画面越しにキスをした日が遠く昔に感じる。 あの時の私は、リヨンとの距離を楽しんでいたのに、 いつの間にか、この距離が疎ましいものになっていた。 距離に苦しみ、距離を壊す方法を考えた。 その結果、苦しみは増幅し、私たちは壊れてしまった。
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