CASE.1 A君(仮名)

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「わかった! すぐ行くからっ!」  そう伝え、携帯を切ると、慌てて自宅を後にする。  そこまでは距離があるのと、少しでも早くとの思いとで車で向かった。  そして俺は、A君の待つ場所に着いた。車を停め、急いで降りる。  すると、俺の顔を見て安堵の表情を浮かべるA君。  良かった。まだ早まった行動はしていないようだ。  胸を撫で下ろしたのも束の間、A君は弱々しく言った。 『悪いな……わざわざ』  何を言っているんだ! 友達だろう? 当たり前だよ!  そう言うよりも先に、A君は真顔で言ったのだ。 『……手伝ってくれるよな?』  一瞬、頭の中が真っ白になった。  しかし、俺がここでしっかりしなくては二人共、犯罪者になってしまう!
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