CASE.1 A君(仮名)

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「それは……何処にあるんだ?」  だが、情けない声しか出て来ない。  A君は苦痛に顔を歪め、無言で歩き出す。  その後を恐る恐るついて行きながら、どうにかしてA君を止めねばとフリーズしそうな頭をフル回転させた。  程無くしてA君は立ち止まり、人指し指で示す。 『あそこだよ』  ごくりと唾を飲み込む。  夏の夜特有の涼しい風が吹いているのに、次から次へと汗が滴り落ちる。  そして暗がりに目を凝らすと、そこには……  哀れ、にゃんこさんの亡骸がありましたとさ。  A君……それを早く言ってよぉーっ!
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