CASE.3 C子さん(仮名)

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「確かに真っ赤というよりは赤銅色だったかも」  自分の勘違いに照れながらも、胸騒ぎが拭えなかった。 「そろそろ行こうか」  気付けば夕食の時間。私と彼は連れ立ち、食堂に向かった。  宿泊料金なりの夕食をいただき、予約した時間に貸し切り風呂を堪能する。 「ちょっと疲れたな。今日は早目に休んでもいい?」  確かに彼に運転は任せきりだったし、私も久しぶりの旅行ではしゃぎすぎていた。それに起きていれば余計な事を考えてしまう。早く眠ってしまった方がいいとも思えた。 「そうだね、そうしよう」  直ぐに同意したが、それでも常に嫌な感じはまとわりついていた。  そして、就寝。  灯りを消した暗闇の中、隣の彼は運転の疲れからか既に寝息を立てている。  しかし、何故か私は異常に目が冴え出してしまっていた。  眠らなければ、そう思えば思う程に焦ってしまう。  枕が変わったせいだけではない。居心地が悪くて悪くて仕方なかった。
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