CASE.3 C子さん(仮名)

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 普段は真っ暗にして眠る。だが余りにも怖くなり心の中で詫びながら、少しだけ灯りを点けた。それだけで気持ちが落ち着き、安心する。  それからどれ位の時間が経ったのだろう?  時折、彼が寝返りを打つ音にすら驚きながらも、いつしか眠りに落ちていった。  扉が開く。誰かが覗いている。顔は見えない。  そして、滑り込むように部屋に入ると近付いてくる。  わかっているのに、私は私を見ているだけしか出来ない。  早く逃げて……早く……早くっ!  はっと目が覚めた。  薄明るい室内。早鐘を打つ心臓が口から飛び出しそうだった。  傍らには温かい彼の背中がある。 「何だ……夢か」  安堵から呟くと、額に滲む汗を拭おうと無意識に右手を上げた。  その時……! 「夢だと思ったら大間違いだぞっ!」  地から響くような声と共に、強く強く右手を掴まれる。  視界には、ただ真っ黒な何か。
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