漆黒の元帥

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一刻もその場から離れたい黒を纏った人物は、我慢出来ず背を向けて歩き始めた。 それに気づいた紺の女は駆け足で追いかける。 「黒様、待ってください!」 誰が待ってやるものか。 足を止めることなく、黒を纏った人物は歩き続けた。 何もなかったかのように過ぎていった二人の背中を、頭を垂れていた周囲は畏怖と憧憬の目で見送った。
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