漆黒の元帥

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魔法で織り成すこの世界の名は『ユリア』──『人間界』である。 大陸は大きく分けて五つ──東国、西国、南国、北国、中央国。 『人間界』である『ユリア』では文字通り人間が中心とした世界、つまり人間が一番偉いのだと、神に選ばれた生物なのだという概念がある。 あらゆる生物を殺し、草木を枯れさせ、潤いのない土地を増やす。挙句の果てには同族同士つまり人間同士で戦争を起こし、人種差別や人身売買まで勃発させる──それは全て私利私欲のために。 だが、それを何もなかったように、「全ては神が我々人間たちに与えてくださった資源なのだ」と神を信仰する狂信者たちはこう語る。 こうして今の『ユリア』という世界がある。人間たちが造った愚かな考えにより生まれた差別的で不合理で不平等な世界である。
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