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昔々。五百年ほど、昔。人類滅亡の危機に落としかけた戦争が起こった。
高魔力保持者による黒髪の集団が突如として、人間界から現れた。人間と変わらぬ風貌の彼らは、空間を歪めて姿を見せて、人類に言った。
「我々はこれより貴様ら人間を一人残らず跡形もなく根絶やしにしてやる。
我々と死んでいった我々の仲間たちの悲しみと苦しみを味わうがいい!!」
集団の中の一人、黒髪を持ち金の瞳を持った者の怒号が戦争の幕開けだった。
彼らは驚異的な身体能力と高魔力を持っており、脅威的な武器を自由自在に使いこなし、人間たちを殺戮していった。
焼殺。毒殺。刺殺。絞殺。溺死。撲殺。
数々の方法で殺され、死体を見せつけるように張りつけにされた。出来るだけの力を使って抗ったが、圧倒的な力の前に人類は絶望した。
諦めかけた時、一筋の光が地上へ降りた。
光と共に現れた者は、神々しいオーラを放っており翼が計十二枚生えていた。目が眩む程美しいその者は自身を『神』と名乗り、黒髪の集団を眩い光で一瞬にして一掃した。
人類は歓喜に震えた。以降、『神』と名乗る者を崇め、讃えた。
そして、人類に戦争を起こした黒髪の集団を『魔族』と呼んだ。
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