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「お兄さん、調子はどう?」
声がした方に目を向けると、ドキッとする程の美女が立っていた。
「今日はダメだな。この暑さで魚もお休みなんだろうよ」
夕方になってだいぶ気温は下がったが、それでもムッとするような暑さが立ち込めていた。
「魚って暑いと休んじゃうの?」
女が近づいて来ながらそう言った。潮風とともに、柑橘系の香水が香る。
「元気じゃないのは確かだな」
おれはそう言って、リールを巻き戻した。
「それならさ、釣りなんて辞めて、飲みに行かない?」
その言葉に驚いて彼女の方を見た。まさか、こんな場所で逆ナンか?
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