釣り

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「実は近くでお店やってるんだけど、お客さん来なくてこうして営業してるの。今なら貸切状態だよ?」 逆ナンではなかったが、彼女と二人っきりで飲めることには変わらない。 こじんまりとした店で、カウンター越しに彼女とお喋りをしている自分を想像した。 「たまにはそういうのもいいな。行ってみるとするか」 そう言って、おれは道具を片付け始める。 「やったー。お客さん、一名ごあんなーい」 そう言いながら腕組みをしてきた。 そして、そのまま引っ張られるように店へと向かう。 連れて来られた店は、カウンター席が3席ほどあるだけで、こじんまりというより寂れた狭く汚い店だった。
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