第2章

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次の日、百合香は春にこの事を話した 「ねぇ、春。昨日ね…夜トイレに入ってたらまた声が聞こえたの…」 「え…また?」 百合香は春を驚かそうとあえて真剣な口調で言った。 「それでトイレにいるのもどうかと思って出ることにしたの…そしたらね……お父さんだったのよ」 「えっ?」 春は百合香の狙い通り驚いていた。 「お父さんが裏声つかって名前呼んでたんだよ~ほんとにビックリしたけど正直安心した」 笑いながら話すと春もゲラゲラと笑った。 「ちょっと百合香!そんなんじゃ私信じないよ~」 「え?」 「だって百合香のお父さん先週から大阪に単身赴任してるんだよね?ここ東京だし一晩だけ戻ってくるとかありえないでしょ。」 そうだ…私のお父さんは先週から大阪に単身赴任している…。帰ってくるのは半年後のはずだ。 震えが止まらなくなった。 さらに冷や汗も止まらなくなりその日は早退してしまった 家に帰って母に昨日だけ父が帰ってきたか聞いてもそんなわけないじゃない。と言われてしまった でも昨日の事も2週間前の事もとても夢だとは思えなかった あの私が見た、私と会話したお父さんは誰だったのだろう。
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