第1章

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冬夜は案の定、通路を挟んだ隣の席で、 いつの間にかいる担任の先生を睨んでいる(ように雪乃は見える)。 (なんなんだ、今日は…?) 軽い目眩を覚え、雪乃は窓の外を見ながらHRをやり過ごす。 何気に親しくなったまどかの事を思い返し、変わった子だけど、人懐こく、正直な性格に親近感を抱いている自分に気付き、隣の席の冬夜には関わらないでおこう、と心に決め、さっきまでのざわついた心が落ち着き始めると、こんな柔軟な性格に、我ながら単純だな。 なんて思ったりして。 「ゆーきーのー。」 鈴のような声に ん? と顔を上げると、 まどかが 「お昼一緒しない?」 と上品な笑顔で誘ってきたので、どーせ寮に帰っても荷物は片付けたし、自炊だし、面倒だし、なんだかこの子には色々話せそうな気がして、うん、と即答した。
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