第1章

3/6
前へ
/6ページ
次へ
「…此処は、何だか、嫌い……変な気分に、なるし…」 薄暗い道。 其れは学校の通学路で。 「でも通らなくちゃ…帰れないし……」 椿は一度ため息をつき、ゆっくりと歩き出す。 「是で良くない?」 楽しそうなひそひそとした声。 「マジでやんの?ビビっちゃうかもよー?」 くすくすと笑う声。 「大丈夫だって。…大体、あいつムカつくんだよ」 笑ながらもイラついている声。 「じゃあ、やるよ?」 軽く笑うような声。 すると植木鉢が椿目掛けて落ちてくる。 それに金髪の髪の男が真っ先に気付き、椿に遠くから叫ぶ。 「…危ない…!」 「…え?……植木、鉢…!?きゃっ…!!」 突然聞こえた声と、落ちてきた植木鉢に驚きと恐怖を隠せない椿。 当たる。 そう思って椿は目を閉じた。 「……?…あ、れ…?」 当たらなかった。 確かに頭上にあったのに。 「だいじょーぶ?あっぶないねぇ?」 にっこりと笑うような声で金髪の男が言う。 「え?貴方…誰…?それに、この植木鉢…?」 椿はそんな男に問いかけつつ、目の前の光景を疑った。 浮いているのだ。 植木鉢、が。 『浮いてる…なんで…!?』 椿は心底驚いていた。 浮く植木鉢など聞いたことがない。 「ん?俺?…まぁ、いいじゃない。それより君…魔女になるつもりはない?」 男は笑顔を絶やさず言う。 そして指をすっと下ろすと、植木鉢が地面に下りた。 →NEXT
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加