第1章

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「…は?魔女?」 椿はきょとんとした声を出す。 今時魔女とは。 何を言いだすのだろう、この人は。 椿は、そんな様子だった。 「そうそう、魔女♪どう?いや~、錬金術の一つにさぁ、如何しても魔女…っていうか、君らみたいな人の協力が必要なんだよね~?」 男はあくまで楽しそうだ。 「魔女?錬金術?何…それ。あたしをからかってるの?……それに、興味、ありませんから」 そんな男の様子に、椿は呆れた声を出す。 そして歩き出した。 「あぁ、待って待って!…お姉さん、探してるんでしょ?」 男は慌てて引き留めた。 先ほどまでのふざけた様子は何処へやら。 一気に真剣な声だった。 「…!何で、その事…!?」 椿は驚いたように足を止め、振り返る。 姉を探していることは、誰にも言ってない筈なのに。 「ま、色々と、ね…。どう?俺を助けると思って魔女になってくれるんなら…お姉さんを探すの、手伝うよ?」 交換条件。 そんな風に男は話した。 「……本当に…姉さんを…?」 椿は拭えない疑惑を持ちかける。 あんなに探しても見つからなかった姉が、見つかる、のだろうか。 「もっちろん!俺は、約束は違えないよ」 また、にこり、と笑って男は言った。 『魔女なんて…冗談にも程がある……。…でも…本当に、姉さんを探してくれるなら…』 所詮、魔女なんておとぎ話だ。 椿はそう思った。 それに今は、何よりも姉を探したい。 その心が椿を決意させた。 →NEXT
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