第1章

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☆ 学食に入るのなんて初めてだ。教師も利用しているから、ひときわ目立つというわけではないだろうが、何かいけないことをしているみたいだ。 やっぱりコンビニで済ませればよかっただろうか。しかし学食は安いし、こんな機会もそうはない。なにより、外に出るのは寒くていやだ。 そんなわけで俺は学食のおばちゃんからきつねうどんを受け取り、手ごろな席に座る。グラウンドがよく見える、窓際の席だ。 「ふう」 俺の後ろを通る女子の声が聞こえた。 「なにあの人。先生?」 「でもツナギ着てるよー。見た目若そうだけど何歳かな」 う。やっぱり二十代で用務員はおかしいかな。なんだか居ずらくなってきた。 今度は別の女子の会話が聞こえてきた。 「ねえ、あれ。ミステリーサークルってやつじゃない?」 「え、どこどこ」 「グラウンドのあれだってば」
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