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王都ヴァリスタン、それは戦勝国であると同時に大陸一の先進国だ。
その南方に配置される大門を、冒険者調の赤髪の少女が踏み入れる。
色褪せた赤のギルドローブを普段着のように着こなしている少女。
その肌は王都の暮らしている人々と違って薄っすらとした褐色。
それは彼女が敗戦国から流れ込んだ難民である証であった。
「おかえりなさい…そして、静かに両手を上げなさい。」
大門を潜ってすぐのところで、少女を待っていたかの様に声が掛かる。
その声の主は女性で、少女より幾許か大人びている印象を受ける。
それもそのはず、声を掛けた黒髪の少女は第二次性徴が始まっていた。
分かりやすく言えば、出るとこが出て女性らしいと言うことである。
そして、同じ型の青のギルドローブを羽織ってることから二人は何らかの繋がりを持っているのだろう。
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