第1章 People having a tail

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 ――――――     ――――――  これは、夢だ。  何もない雪景色。  前を見ると、少し先に誰か立っている。人ではなく、雪豹。  凛とした顔で真っ直ぐこちらを見据えていた。  ふと、横を向いた。湊もつられて、そちらを向いた。  景色が変わっていた。先程の雪景色から、近所の道だった。 「え」  眼前には、雌鹿を襲う大きなオコジョ。普通のオコジョではないのは分かる。人程の雌鹿とオコジョ。 「父さん!!やめろ!!母さんだよ!!」  それは紛れもない自分の声。でも今この光景を見ている自分が言ってるのではない。  何処かに自分が。いや、それよりもあの動物が何故、母さんと父さんだと分かる。  止めてくれ…。  こんなの見たくない…。  止めろ!見たくない…!  頭に残る…。
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