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これは、夢だ。
何もない雪景色。
前を見ると、少し先に誰か立っている。人ではなく、雪豹。
凛とした顔で真っ直ぐこちらを見据えていた。
ふと、横を向いた。湊もつられて、そちらを向いた。
景色が変わっていた。先程の雪景色から、近所の道だった。
「え」
眼前には、雌鹿を襲う大きなオコジョ。普通のオコジョではないのは分かる。人程の雌鹿とオコジョ。
「父さん!!やめろ!!母さんだよ!!」
それは紛れもない自分の声。でも今この光景を見ている自分が言ってるのではない。
何処かに自分が。いや、それよりもあの動物が何故、母さんと父さんだと分かる。
止めてくれ…。
こんなの見たくない…。
止めろ!見たくない…!
頭に残る…。
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