第1章 People having a tail

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 ――夢から醒めた。  寝ていたのに、息が荒い。苦しかった。  起き上がり、自分の胸を握り締めた。  なんて、嫌な夢なんだ。  眉を顰め、夢の内容を思い出す。 「うっ!」  吐き気に襲われた。口を塞ぎ、一階のトイレへ駆けた。  二階にトイレが無いのが辛い。  気持ちが落ち着き、リビングへ行くと、父と母が朝ご飯の支度をしていた。いつもの光景に笑みが零れる。 「あれ?湊、早いわね~珍しい」 「那託も起こしてきてくれ」 「あ、あぁ…」  何か言いたかったが、言葉が出なかった。  那託を起こし、今日も学校へ行く。
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