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それからあんな夢はあの日以来見なくなり、夏休みを終え、二学期が始まった。
夢の事を忘れかけている頃だった。
「やっべー、夕飯遅くなっちまう!」
湊は走っていた。
今日は日曜日。深琴と遊びまくって、既に夜の八時を過ぎていた。真っ暗な住宅街を走っていた。
ふと、近所の公園の前を通り掛かった。ふと、頭がそちらを向いたのだ。
ん?
公園の奥。誰か居る。三人。何か取り囲むようにしゃがんでいる。
同じ学生だろう。尾もあるが、何の尾かは分からない。細長いのは分かる。
こちらには、気付いていない。足を止め、彼らを凝視した。
ん…なんだ、この臭い?
ふと、風上に乗って、こちらに臭いが漂ってきたのだろう。
なんだか、鉄臭い。
湊は、無意識に口を押さえた。
行こう。何されるか分からない。
直ぐにそこを後にした。
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