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自転車で走る事、五十分。深琴の家は遠い。学校からはやや近めだ。
朝から他所の家に上がるのは、申し訳ないが、深琴に伝えたくてやってきた。
部屋へと入る。
「どうしたんだよ、制服まで着て」
「言わなきゃならない事があって・・・・ハァハァ」
「まー落ち着けよ」
出された飲み物を飲み干す。
呼吸を整え、改めて、深琴を見た。
「ニュース見ただろ?」
「見たぜ。しかも、昨日、お前の通り道じゃねーか」
ちょっと焦っているのが伺えた。
「そうなんだ。んで、実は見たかもしれねーんだよ」
深琴は言葉を失う。
湊は昨日見かけた事を深琴に伝えた。
「じゃあその三人が怪しいってのか?」
だが、暗く何処の誰かまでは分からない。学生っぽいのは分かった。
「もしかしたらだ。学校にいるかもしれない。この近所は小中高、一つしかない」
益々、驚きを隠せない。
高校生か二十代前半まで。私服だった為、憶測に過ぎないが、必ず近くにいる。
あんな住宅街の公園で堂々と殺るのは、そこまで計算せずの犯行かもしれない。
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