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あれから、数日が経った。
何だが、米賀の動きにいちいち反応してしまう。席は遠いのが有り難いが、動く度、話す度、ビクビクしてしまう。
深琴も同じだった。那託は自分には関係ない様子でクスクス笑ってやがる。
あれから、何事もないなら、やはり、推理は違うのだろうか。実は、まだ警察に行っていない。
「カーカー」
「!!」
肩をびくつかせ、窓の外に目をやると、4階まで伸びている木の枝に二羽の烏が教室の中を見つめていた。
な、なん、なっなっなんだ烏か。びっくりするな。
心の中まで動揺で埋めつくされる。
放課後のチャイムが鳴る。米賀は部活に行ったようだ。ふと、木を見ると、ずっとそこに居た烏の一羽だけがそこに居た。
なんだフられたのか?
今は発情期ではない。
「帰るぞー湊ー」
深琴に呼ばれ、烏を流し見ながら、教室を出た。
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